真夜中の犬 花村萬月


今年の夏、単行本で購入。
まず花村萬月の人物像そのものに興味をひかれた。
中学卒業後、職を転々とし、ギター弾きなどしながら、
カネが溜まるとバイクで全国を放浪。
いろいろあって、東京に居られなくなり関西に逃亡。
学生運動をしていた京大の寮に潜り込んで、
肉体労働のバイトに明け暮れていたという。
風転のような人生の末、絵描きになろうと根をつめ、
30代半ばで小説を書き始めるまで、
活字とは無縁の生活を送っていたという。
そして、小説家らしかぬスキンヘッドに髭という風貌。(いつの写真か知らないけど)
デビューして7年間で20冊余りを書いているけど、
一体どんな小説を書くんだろう?...


で、真夜中の犬。
暴力を通じて人間の愛憎劇を描いた切ない物語。


花村萬月というペンネームの由来は、編集者は急場にひねり出したものらしい。
“花咲く村の陽(ひ)ではなく、月”。

真夜中の犬 (光文社文庫)

真夜中の犬 (光文社文庫)