“K”のミステリー


ある日、このブログに“K”という人から「明日は誕生日ですね」とのコメントがついた。
つまり、この書き込みをしてくれた人はこのブログを書いているのが僕だと知っている。
ご存知の通り、基本的にこのブログは匿名で書いているので、
その正体を知っているのはごくわずかしかいない。そこからミステリーは始まった。


いったい誰だろう?... いる。“K”のつく人がいる。同じ会社に働く主任だ。
僕と主任のデスクに2歩程度の距離で移動1秒の距離だが、
以外と直接聞くことはできない。世の中、以外とそんなものだ。
どうすれば良いか...。閃いた。メールだ。
「例の件メール送っといたから、あとやっといて」。
通常、社内LANで原稿のやりとりをするのだけれど、あえてメールを送ってみた。
件名はもちろん「K主任へ」だ。
主任はピンとくるタイプなので、意思が疎通するに間違いない。
「何だ〜コメントつけたの僕ってわかりました?」など
何らかのアクションが必ずあるはず。
ところが、待てど暮らせど反応がない。どうやら読みは外れて主任ではなさそうだ。
次に情報アシスタントの女性をデスクに呼び聞いてみた。
「知りませんよ。そんな書き込みがあったのですか?」とこれまた外れ。
一体誰なのだろう。気になる。なぜかとても気になる。
考えた。海よりも深く考えた。
このブログへの来訪者で、“K”といキーワードで繋がる方が二名いた。
この方々とはオフ会もやったし、僕の誕生日も知っているかも知れない。
でも、コメントつける時のネームは“まさゆき”だという明確な事実がある。
もう一人の方も同様。長年培った調査員の感でハッキリとわかる。この両者ではない。
“K”から始まったミステリーの謎解きは混迷の底に落ちていった。


数日後 一本の電話。社内の管理センターのリーダーからだ。
「信用調査マン日記ってやっぱり部長(筆者)のブログだったんですね!」
ウォォォ〜、すぐにピンときた。
「何でそのこと知ってるの?」と尋ねると、
「何気なく検索エンジンで“信用調査”と検索したらヒットして、
見てみたら部長じゃないかなぁと思って、コメントつけたんです」。
女性ながら我社の管理課長職。やはり頭も良い。
自分の疑義の裏づけをとる為にコメントをつけたのだ。さすが信用調査会社社員。
つまり、コメントつけてその回答が「僕の誕生日が終わったよ」とか
「まだだよ」というコメントでれば、この書き手は想像している人物ではない。
逆に誕生日が正解であればビンゴだ。
なぜなら、この狭い業界で 同じ誕生日の人間が複数存在するばすがない。
ズバリこの情報でブログを書いている人物を特定できるということである。


そういえば、社内で犯人探し?で盛り上がっている時、
「管理センターにの○○さんと、○○さんが“K”だなぁ、
でも このブログのこと知らないし、

あり得ないよね」という話をした。まさか...と。
やはり、世間でおこる物事の可能性は宇宙クラスだ。
“あり得ない”という発想こそあり得ないのだ。


うちの敏腕情報アシスタントいわく
「あの時、部長は管理センターの○○さんの下の名前が
“K”だって自分で言い出しておきながら
“でも違う”って自分で否定してたじゃないですか〜」(何やっての〜という意味と理解)。
う〜ん。絶句。